背中や胸元、腕や手(手の甲)は年齢とともにしみが現れやすい部位です。比較的に皮脂分泌が多く、吹き出物が出来やすい背中や胸元は顔面と比較してターンオーバーが遅いため、ニキビなどで皮膚が炎症を起こすとシミになることがあります。
また、手の甲や腕は紫外線の影響によってシミが目立つことがあります。炎症後の色素沈着や紫外線の影響によってできるしみはハイドロキノンで改善できる可能性があります。
顔面以外のハイドロキノン使用について
背中や胸元の炎症後色素沈着にはハイドロキノン
ニキビなどによって皮膚が炎症を起こすと色素沈着を起こします。新陳代謝が活発な時期では数ヶ月で色素沈着は薄くなっていきますが、場合によっては跡になって残ってしまう場合があります。
特に背中や胸元は皮脂分泌が比較的に多い部分であるためニキビが出来やすくなりますが、顔面ほど皮膚のターンオーバーが活発ではないため、色素沈着が長引く場合があります。この症状にハイドロキノンは良く効きます。
ニキビ後の色素沈着だけではなく、すり傷などによる色素沈着にもハイドロキノンが有効です。
背中や胸元への色素沈着にはトレチノインとの併用
炎症後色素沈着を起こした場合はハイドロキノンとトレチノインを併用すると高い改善効果が期待できます。トレチノインとは、ビタミンA(レチノール)の誘導体で生理活性はビタミンAの100~300倍あり、主にニキビ治療やしみ治療に用いられます。
トレチノインは表皮細胞を増殖させてターンオーバーを促進させ、表皮内に存在するメラニンを押し上げて排出させる働きがあります。トレチノインのターンオーバー促進作用とハイドロキノンの皮膚漂白作用の相乗効果で色素沈着を改善していきます。
トレチノインは、部位によっては反応が鈍く効果がでにくいこともあるのですが、背中や胸元はトレチノインの効果を得られやすい部位です。
加齢などによってトレチノインの反応が鈍くなり、効果が現れない場合があります。
手の甲は薬剤の反応が鈍い
手の甲や腕(特に腕の内側)は皮膚の性質上、皮膚の再生が遅く薬剤成分の反応が良くありません。そのため、手の甲や腕のシミはハイドロキノンやトレチノインでは効果が得られないこともあります。そのほか、家事などで薬剤の成分が失われやすいなどの難点もあります。
ハイドロキノンよりもレーザー治療が適している場合もある
シミの大きさや状態によっては、ハイドロキノンやトレチノイン治療よりもレーザー治療やフォトフェイシャルなどの光治療の方が適している場合もあります。また、レーザーでなければ改善しないシミもあります。
特に手の甲などはハイドロキノンなどの薬剤の反応が鈍いため、十分な効果が得られない場合があります。また、一般に境界がはっきりしたシミにはハイドロキノンよりもレーザーの方が有効だといわれます。
シミ治療にはいくつかの治療法があるのでどの方法が最も適しているか医師に診断してもらいましょう。